コード&メジャーのライナップの中で、もっとも人気のある4モデル(クラシック、ロック、ワールド、エレクトロニック)を一挙に比較してレビューされた記事が掲載されました。
イヤホンの試聴に行かれる方。自分に一番合ったイヤホンを探している方は、ぜひこの記事をご覧いただければと思います。
————————————————————————————————–
今回はChord & Majorのイヤホン4機種を聴き比べる機会を頂いたので、その感想をレビューしたいと思います。Chord & Majorといえば、クラッシク・ジャズ・ロックなど「ジャンル」によってイヤホンのラインナップが分かれている珍しいメーカーさん。
Classical レビュー
ClassicalはChord & Majorの中で1番人気のモデル。クラシック用ということもあり、ローからハイまで自然で広い音が特徴的です。今回比較した中では最も全体のバランス良く(若干、ロー強め)、ジャンルを選ばない印象でした。
ClassicalはChord & Majorの「優しく温かみのあるサウンド」を分かりやすく感じることができます。ダイナミック型ならではの音の奥行きや立体的な表現が楽しい機種ですね。Chord & Majorのイヤホンを聴くなら、最初はこれかRockあたりが良いのではないかと思います。
試聴曲を聴いてみると、イントロのドラムスは低域は柔らかく厚みを持って響きます。弦楽器も艷やかで美しく聴こえますね。ボーカルはウォームでしっとりとした表現。シンバルもキレイに聴こえるといった印象で、ややマイルドになった感じがします。
ちなみに試聴曲つながりで「君の名は。」サントラのインスト曲を聴くなら圧倒的にClassicalでした。楽器音の深み、響きなどがとても感動的に聴こえます。これはぜひアンプと組み合わせて聴いてみてほしい…。
ROCK レビュー
ROCKはClassicalよりも響きは控えめで、キレよく鳴ってくれる印象です。ベースのゴリっとした感触とシンバルの金属的な表現が両立していて、まさにロックな鳴り方をしています。その分、ボーカルの主張はそれほど強くないですね。
これはChord & Majorのイヤホン全体にも言えることなのですが、とても音楽的な鳴り方をしてくれるのでサウンドに一体感があり、パワフルに聞こえます。音をバラバラにしないので録音のアラが聞こえづらいのも、ロックに適している点と言えます。邦楽ロックも気持ちよく聴けますね。
試聴曲を聴いてみると、イントロのドラムスは低域は重みを持って鳴りますがClasscalほどは響きません。弦楽器もキレ良くシャープな印象。ボーカルはドライでClassicalよりはほんの少し引っ込んだ印象です。シンバルは細かな音も金属感があり、正しい刺激を感じることができます。
試聴曲ではボーカルを重視するならClassicalで、演奏重視ならROCKの方ですかね。ここの差はほんと微妙なところ。
世のロック向きと言われてるイヤホンやヘッドホンは刺激を多く含んでいるので、聴き疲れてしまう音のものも多いと思います。一方、これは刺激も心地よいレベルに収まっているので、長時間のリスニングも苦ではないところがとても良かったです。
World Music レビュー
今回の比較の中では、1番特殊な音をしていて、多くの読者諸兄が「それどんな音?」と思うのが、この「World」だと思います。Chord & Majorによる説明では民族音楽や伝統音楽に向けたイヤホンとのこと。
民族楽器はアナログ録音しかできないものが多いため、空気感や臨場感の表現がとても大切になります。そこで音場感・定位・分解能などを特に重視してチューニングがされているようです。
聴いてみるとClassicalやRockとは全然違った独特な鳴り方をします。音のレンジはやや狭いのですが、音の遠近表現が明確で、生楽器がとてもリアルに聞こえます。色々と聴いてみたところ、ライブ盤や生録音の音源と相性が良いようですね。
音源によっては演奏の緊張感などがそのまま伝わってきて、とても面白いです。流行のDSD音源を聴くのも良いかもしれません。
試聴曲を聴いてみると、イントロのドラムスは低域の量感は少なめ。弦楽器は繊細に鳴っています。意外にもボーカルは4機種の中で最も前に出てきており、かつ高い表現力。口の動きが見えるというのは、まさにこのことですね。全体のバランスはClassicalやRockに譲りますが、なかなか面白く聴けました。
かなりマニアックなチューニングですが、ハマる人はハマる系だと思います。普通のイヤホンには飽きてしまった人向けですかね。
Electronic Music レビュー
こちらは以前に単品でレビューしたので特長は簡単に。Electronicの面白いところは、低域の量感と解像感がうまく両立されているところ。単に低域をドカドカさせただけではなく、低音から高音まで様々な音が飛び交う電子音楽をワイドなレンジで気持ちよく表現してくれます。
試聴曲を聴いてみると、イントロのドラムスは予想よりも低域の量感は少なかったですが、重心の低さを感じます。弦楽器は少し引っ込んでしまい機械的な音という印象を受けました。ボーカルは声が少し低くなったように聞こえ、喉が鳴るような音の低い部分が強調されたように聞こえます。
分解能や定位感は4機種の中で最も高く、音の位置を正確に聞き取ることができました。高域のシンバルは引っ込んだ印象で、主張は少なめですね。今回の試聴曲ではClassicalやRockに譲る部分が多いと思います。
RADWINPSにはイマイチなElectronicですが名誉のために言っておくと、ケツメイシみたいなビートの効いたポップスでは無類の強さを発揮します。「ビートを強く感じながら、ボワっとならない」というのがElectronicの強み。とても気持ちよく聴くことができます。
全文: http://head-bank.com/chord-and-major-comparative-review/